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2010年08月27日(Fri)

あられもない祈り

あられもない祈り 島本理生さん
★★★★☆

ひとりの女性が、
愛し合った男性への想いを垂れ流す話。


個人的に、
話の筋は割とどうでもいいかんじでした。
随所の描写はとても綺麗。

*****

タイトルの「あられもない祈り」から、
もっと痛切な想いを綴ったものかと思ってたら、
最後まで同じテンポでしたね。

読んでいたら、
思い出す言葉がありました。

阿久悠さんが亡くなられたとき、
テレビで流された生前の言葉だったように思います。

最近歌われる世界には
「私」と「あなた」しかでてこない。
自分は時代を映すような詩を書き続けなければ。
だいぶあやふやですが、そんなようなことを言われたとか。

この本を読むと、
阿久さんの言葉でいうところの
「私」と「あなた」の世界を追求したものなのかな、
と思えます。

もっと言えば、
「私」ひとりだけの物語という印象すらあります。

一見ふたりの世界にも見えるのは、
「私」の気持ちが「あなた」にしか向いてないからで、
実は「私」の世界から外には広がってない話ような。

その印象はきっと、
僕(俺でもいいけど)が登場しなくて、
最後まで二人称の存在で終わることからくるのでしょう。

この本の追求したものが、
「私とあなた」の世界なのか、
「私」の世界なのかは知りませんが、
いずれにしてもその過程で、現実感がいくらか
損なわれたかんじはします。

リアリティを感じないから、
感情移入もできないし、胸に迫る何かも無い。

あおり文句に「至上の恋愛小説」とあるけれど、
それを追求した結果として現実感が損なわれるのは、
面白い皮肉だと思います。

何か足りない気はするけど、
だからといって駄目だとは思いませんでした。

いろいろ削って綺麗に仕上げた
虚構だからこその綺麗さってかんじで、
私はそこそこ好きでした。

まあ、
違和感を感じる人もいるのかもしれず、
買ってまで読むほどかといえば、
そうでもない気はしますが。


posted by Yu-Ki | Comment(1) | TrackBack(1) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Posted by 藍色 at 2013年03月26日 16:50
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