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2010年05月20日(Thu)

金曜のバカ

金曜のバカ 越谷オサムさん
★★★★★

青春の一場面を描いた短編形式。

「金曜のバカ」
女子高生とオタク風青年の
格闘対決を通じた奇妙なつながり。

「星とミルクティー」
しし座流星群の夜に出会った少女との記憶が、
不思議と思い出される夜の話。

「この町」
故郷の松山を毛嫌いする15歳の少年が
憧れの東京行きを実行しようとしたとき、
だんだん見えてきたのは…

「僕の愉しみ 彼女のたしなみ」
やっと漕ぎ着けた、気になる娘とのデート。
高校生にもなって恐竜オタクだなんて知れたら嫌われそうで、
必死で隠す少年だったが…

「ゴンとナナ」
マイペースなところのあるナナは、
辞めた部活の後輩に毎日訪ねてこられ…


「金曜のバカ」以外は
主人公の外見がほとんどかかれていないせいか、
身近で似たようなことが起こってそうな気になる。

自分の、あるいは友達の話のような感覚で読める
さりげなさが好きでした。

*****

個人的に好みなニ編だけ感想を。

「金曜のバカ」は、
そんなアホなっていう
有り得ない展開の可笑しさだけでも素晴らしいのに、
その中に柔軟な若さが上手く織り込まれていて、
なんだかとても爽やかな気分になれました。

某テレビドラマ的な「青春モノ」には
素直に感動できないひねくれ者の私ですが、
この本のちょっとズレた切り口には素直に、
青春って眩しいなと思えました。

同時に、
たまには面倒事と関わってみるのもいいかな、
という気分にもなります。

パンチラを凝視してきた男が
後日人気のない農道で待ち伏せしていたら、
普通は身の危険を感じるところ。

それが何故か
嫌々通わされていた護身術に目覚めて
オタク風青年と格闘対決を繰り返すからこそ、
お互いが新しい世界を見られるラストへつながる。

面倒事も嫌々やるんじゃなくどっしり向き合えば、
糧になるってことですかね。

しんどいからいつもは無理っぽいけど、
たまにはこんな姿勢も大事かもしれない。

とはいっても、
痴漢モドキからは即逃げるのが賢明でしょうが。


もうひとつは「この町」。

主人公の少年は高校一年生で、
道後温泉と松山城のある地元を嫌っている。

引っ越しの多かった私からすると
生まれ故郷でずっと育つのは羨ましい気もしますが、
年頃だと鬱陶しさを感じることの方が多いんだろうな。

そんな少年は、
割とありがちに東京を目指します。
彼女と2人での泊まりがけを楽しみに、
必死でアリバイ工作だってしちゃいます。

ところが東京へ行くまでは書かれない。

頭から否定してた町に目を向けるまでの流れを、
東京に着く前へ持ってきたのがとても面白かったです。

きっかけは些細な会話だったりして、
きっと同じものを見ても、その日その時でなければ
少年の心に届かなかったんじゃないかな。

そういう瞬間を上手く感じさせる展開と文章でした。


全体では、
ここが面白いんじゃーって言いづらいですけど。
思わず口元が弛んじゃうかんじ、とても好きです。


posted by Yu-Ki | Comment(0) | TrackBack(1) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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「金曜のバカ」越谷オサム
Excerpt: ピュア過ぎてアブノーマルなヤツらが繰り広げる妄想と葛藤。ヘンなところが心地いい5つの物語。天然女子高生と気弱なストーカーが繰り返す、週に一度の奇天烈な逢瀬のの行き着く先は――?(「金曜のバカ」) ち...
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